哲学に関する知識でビジネスに関しても応用が効く要素を抽出した本。 考え方そのもののアウトプットからの学びと、考えに至るまでのプロセスからの学びの2つの観点で内容をまとめている。文章がわかりやすく、また面白いのでお勧めです。
カール・マルクスの『資本論』より。
【内容】
疎外とは、「他人行儀になってよそよそしくなる」が言葉だが、「振り回されるようになる」が原文にはあっている。
資本主義社会の必然的帰結として以下の4つがあると定義。
本ではここから人事評価の在り方についても触れています。
【感想】 セミリタイアを目指す方や、工場バイトなどの単純労働を行う方には思い当たるところが多いと思います。私もこの本を読んでいて、疎外に関しては思うところは多かったです。ただ、頭脳労働をされる方は2,3,4の要素は感じない方も多いのではないでしょうか。自分の会社は仕事大好き人間が多いので、労働そのものを楽しんでいる方は結構いるように思います。後、人柄などの直接的な生産性と関係しない要素(一緒に仕事して夢中になれるか)により、生産性が跳ね上がったりするので、責任が大きくなればなるほど間接的な要素が重要視されるんだろうなーと思ってます。
アウトプットからの学び 感想に書いた通り。
プロセスからの学び マルクスはどのようにこの考えに至ったのか。生産物ができるまでの工程を考え、従来の労働の姿と、工業化によって変わる部分との比較をすることで疎外となる問題を見つけたのではなかろうか。であるなら、AIの存在により、一人の力で多くの生産物を生み出せる今の時代はまた新たな疎外が見つかるようになると思う。 『AI論』(作成10分)
生産物と正しさの疎外 Excelでポチポチ入れることと、自動化によって置き換えができること、機械でできることを人がやっていることに対して、本当に正しく実施できているのか?などの品質との疎外は出てくるのではなかろうか。それは画像認識によって導き出される診断結果などでも起きるのかもしれない。 遺伝情報からその人物が犯罪者になると判断される場合、どちらを信用すればよいのかなど。
モラルと正しさとの疎外 人を轢くことに運転手や乗員が助かるような状況の場合、AIにどのような判断をするべきか。 高速バスの乗員と一人の人という命の足し算が必要な場合。
コミュニケーションからの疎外
え、こんなクソみたいな人が経営者なの?みたいな人が人を使わなくても多くの利益を得られるようになった場合でてくるのではなかろうか。本来、経営者や社長はある程度の人格が必要となるが機械化が進めば人が必要ではなくなるので、コミュニケーション能力がない人でも社長になれることは出てくるはず。
貨幣価値との疎外
安く大量にデジタルコピーが作られてしまうことになるため、お金により本来手に入れられる価値以上のものが手に入ることが多発する。それは情報弱者であればあるほど、強く差異が生まれることになり無料で手に入るようなものと有料で手に入るものとの障壁が取り払われることになる。
(今私が使っているTyporaもフリーなのに恐ろしく使い勝手の良いソフトなので、こういうことが起きる)
トマス・ホッブスの社会契約論の『リバイアサン』より。
【内容】
人の性質を以下のように定義
その内容から『万人と万人による戦い』という状態があると考える。そこから、法を犯した人を罰するだけの権力を持つ権威を中央に置き、社会の構成員と契約を結び、ルールを守らないものを厳しく取り締まることに人が合意するしかないという考えに至る。
個人個人の自由と安全をはく奪できる権力を持つ巨大な権威を置き、これにより社会を統制させる。という主張。(これってまさに中国!)
【感想】
アウトプットからの学び
なし。「国家権力で人を統制させたほうが良い、という考えはよくある」
プロセスからの学び
人の存在を定義して、そこから答えを導きだす。(人の精神性などを排除して、行動などの性質から捉えてそこからどのような問題が生じて、解決するには何をすべきか)を考えるのは重要と感じた。